BCAA、EAAと「アミノ酸の桶」理論

BCAA、EAAと「アミノ酸の桶」理論

トレーニング用のアミノ酸サプリメントとしてよく摂取されているBCAAと、最近注目されているEAAは、どちらも必須アミノ酸のサプリメントです。両者の違いなどについてイマイチ分からないという方も多いと思いますので、簡単に説明します。

BCAA

BCAAとは、Branched Chain Amino Acidの略で、分岐鎖アミノ酸と呼ばれています。
BCAAは、必須アミノ酸9種類のうちのバリン、ロイシン、イソロイシンの3つの必須アミノ酸の総称です。この3つの必須アミノ酸は枝分かれするような構造をしているため、分岐鎖アミノ酸と呼ばれています。

BCAAは、筋肉の合成の促進、筋肉の分解の抑制、乳酸の産生の抑制などの効果があると言われています。

そのため、筋トレをする場合やマラソンなどの持久系のスポーツをする場合に摂取される場面が多いと思います。

筋肉の合成促進の効果から、筋肥大トレーニングには有効であろうということは納得しやすいのではないかと思いますが、持久系スポーツでもBCAAが効果的ということについては疑問に思う方がいると思いますので、簡単に説明しておきます。

持久系スポーツでは糖質や脂肪のほかに血液中のBCAAをエネルギー源とします。
これらのエネルギーが尽きると、筋たんぱく質中に多く含まれているBCAAをエネルギーとするために筋肉を分解してしまいます。
筋肉が分解してしまうということは、筋力の低下を招き、パフォーマンスの低下に繋がります。

エネルギー不足による筋肉の分解を防ぐためには、血液中のBCAAが不足しないようにしなくてはなりません。そのためにBCAAを摂取することが効果的と言われているのです。

EAA

EAAとは、Essential Amino Acid(s)の略で、必須アミノ酸のことを言います。必須アミノ酸は9種類あるので、それら9種類のアミノ酸のことです。
複数形のAcidsで表現していたり単数形のAcidで表現したりしていますが、そこは文脈から複数の必須アミノ酸を指していれば複数形を、1つの必須アミノ酸を指していれば単数形を使用するという具合に、文脈でどちらを使うべきかを判断すればよいのではないかと思います。

でも文章を書いていて気づいたんですけど、BCAAを”Branched Chain Amino Acids”と複数形で説明している日本語の資料はない気がします(英語で書かれた文章では複数形は使われています)。でも、EAAは複数形で表現したり単数形で表現していたりします。BCAAも3つの分岐鎖アミノ酸の総称なのに、こっちは複数形を使わずに単数形でしか表現していない。なぜだろう?
もしかしたら複数形で表現している資料もあるのかもしれないけど、今のところ見つけていないっす。
誰か知っている人いたら教えてください。

EAAとBCAAの関係図
EAAとBCAAの関係

BCAAも必須アミノ酸なので、EAAはBCAAを含む必須アミノ酸ということになります。

筋トレ用サプリメントとしてBCAAが有効であると言われてきましたが、最近はEAAもよく耳にするようになっています。

EAAとBCAAの違いは上に書いたとおりですが、ぶっちゃけそれだけでは分からないと思います。ということで、EAAがなぜ最近注目されているのかについて少し書きます。

「アミノ酸の桶」理論

アミノ酸スコアは、9種類の必須アミノ酸のうち、含有量の最も少ない必須アミノ酸で評価されます。
というのは、合成されるたんぱく質の量は、最も少ない必須アミノ酸の量に応じて合成されるためです。

このことを分かりやすく説明した、桶とそれに入る水で例えた「アミノ酸の桶」理論と呼ばれているものがあります。
この理論は、各必須アミノ酸を桶の板とし、それぞれの含有量を板の高さで示し、それら9枚の板で構成された桶に例えたもので、合成されるたんぱく質の量をその桶に入る水の量で示したものです。

「アミノ酸の桶」理論のイメージ図
「アミノ酸の桶」理論

例えば、9種類の必須アミノ酸の中で含有量の最も少ない必須アミノ酸がリジンだとすると、リジンの板の高さが最も低くなった桶となり、リジンの板の高さより多くの水を入れようとしても、水が溢れてしまいます。
つまり、それ以上の量の水は桶に入れることができない、すなわち、それ以上のたんぱく質を合成することができないということです。

この「アミノ酸の桶」理論の例では、リジンを別の食べ物やサプリメントで補うことで、板の高さが高くなり、桶に入る水の量(たんぱく質合成量)も増えることになります。

つまり、足りない必須アミノ酸を補うことで、合成できるたんぱく質の量が増えるということも示しています。

言い換えると、リジンの量が少ないままだと、いくら他のアミノ酸をたくさん摂ってもたんぱく質の合成量は増えないということです。\_(・ω・`)ココ重要!

EAAとBCAAの違い

アミノ酸の桶理論によると、必須アミノ酸のうち、最も少ない必須アミノ酸の量に応じてたんぱく質の合成量が決まります。

そのため、筋肉の合成促進などを期待してBCAAのみを多く摂取しても、他の必須アミノ酸が少なかったら、合成される筋たんぱく質量は増えない、すなわち、筋肉の合成量も増えないということになります。

つまり、BCAAの効果を発揮するには、他の必須アミノ酸も十分に摂取していることが必要ということになります。

これがサプリメントとしてEAAが最近注目されている理由だと思います。

ほかにも、EAAには集中力を上げる効果があるとも言われています。

サプリメントとしてのBCAAとEAAのどちらを摂取した方が良いかというのは一概には言えません。
サプリメントは食事では足りない栄養を補うためのものです。
なので、単純に考えれば、必須アミノ酸9種類を十分に摂取できていればEAAを摂取する必要はないですし、分岐鎖アミノ酸が十分に摂取できていればBCAAを摂取する必要はないということです。
自分には何が不足して何が充足しているかを判断し、摂取するサプリメントを選択すればよいと思います。
あくまで単純に考えた場合ですが。

まとめ

  • BCAAは、必須アミノ酸のうちのバリン、ロイシン、イソロイシンの3つの必須アミノ酸の総称。
  • BCAAは、筋肉の合成の促進、筋肉の分解の抑制、乳酸の産生の抑制などの効果があると言われている。
  • EAAは、9種類の必須アミノ酸の総称。
  • EAAにはBCAAも含まれる。
  • 合成できるたんぱく質の量は、9種類の必須アミノ酸の中で含有量の最も少ない必須アミノ酸の量による。
  • BCAAを摂取して筋たんぱく質合成を促進しても、材料となる必須アミノ酸の量が足りなかったら筋たんぱく質の合成量は増えない。

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