筋肉と脂肪と体重の関係
筋肉と脂肪の重さ・体積
「筋肉は脂肪より重い」とよく言われますが、これはどういうことかというと、同じ体積で筋肉と脂肪を比べた場合、筋肉の方が脂肪よりも重いということです。
逆に言うと、同じ重さの筋肉と脂肪があった場合、体積で比較すると、筋肉の方が小さく、脂肪の方が大きいということになります。
つまり、同じ体重で、脂肪が少なく筋肉量が多い人と、脂肪がたくさん乗っていて筋肉量が少ない人がいた場合、後者の方が体積が大きくなり、太って見えるということです。
数値で表すと、
- 筋肉:1.1g/立方センチメートル
- 脂肪:0.9g/立方センチメートル
となり、1立方センチメートル(以下「cm3」と表記します)あたり0.2gだけ筋肉の方が重いということになります。
逆に、重さ1kgあたりの体積で計算すると、
- 筋肉:1,000g/1.1g=909cm3
- 脂肪:1,000g/0.9g=1,111cm3
となり、約200cm3の差が出ます。
1cm3は1cm×1cm×1cmの大きさですから、200㎝3=10㎝×10㎝×20㎝と表せるので、奥行き10㎝・高さ10㎝・長さ20㎝の大きさの差が出るということです。これはかなり大きな差だと思いませんか?

ネットで検索すると、筋肉と脂肪の大きさを比較した模型の画像が見つかりますが、著作権の関係で載せられないんですよね。残念。見たい人はググりやがってください。
人様の画像を載せられないなら自分で描けばいいじゃない!ってことで描いてみました。
また、例えば「3kg太っちゃった」なんて話しをしている場合、筋肉量は増えずに脂肪だけが3kg付いたということを言っていると思います。この場合、見た目にすると3,333cm3の脂肪が付き、その分見た目が太って見えるということです。
先ほどと同様に考えて、3,333cm3は、幅10㎝×厚さ1cm×長さ333.3㎝の脂肪が身体に付いたと考えてみましょう。333㎝だと身長の2倍前後ありますから、ざっくりと左右に1cmずつ太くなったと考えれば、3kg脂肪が付いただけで見た目はかなり変わるということが分かるでしょう。
実際は脂肪の付きやすい部位・付きにくい部位があるので、均一には付きませんが、話しを分かりやすくということで(^^)
逆に言うと、脂肪を3kg落とすと見た目がかなり変わるということですね。
また、体重について言えば、脂肪でなく、筋トレをして筋肉量が増えても体重は増えるということです。当たり前か(^^;)
パーソナルトレーニングにおけるボディメイクでは、脂肪を落としながら、筋トレで筋肉量を増やすことにより基礎代謝を上げて脂肪を付きにくくするというのが基本的な考え方です。ちなみに筋肉の基礎代謝量は、脂肪の基礎代謝量の3倍と言われています。基礎代謝については別記事で書こうと思います。
ここで同じ量の脂肪を落とす場合を考えてみましょう。
1つは、筋トレをしながら脂肪を落とす場合で、もう1つは、筋トレをしないで脂肪を落とす場合です。
前者のやり方では、筋トレによる効果で筋肉量が増えれば、後者の筋トレをしない場合と比べると体重は重くなるいうことになります。
筋トレをしている場合、体重だけを見ると、体重がそこまで減らないと感じたり、逆に途中から増えたりすることもあるかもしれません。
体重だけで判断すると、後者の筋トレをしないで脂肪を落とす方が痩せたと思うかもしれません。
しかし、筋トレせずに脂肪を落とそうとすると筋肉量も減ってしまうので、基礎代謝も落ち、より脂肪の付きやすい身体になってしまうのです。しかも筋肉量が少なくなって、締まりのない身体になってしまいます。
逆に、前者の筋トレをしながらの方法では、脂肪と一緒に筋肉量が減るのを防ぐことができるので(先ほどは筋トレをすると筋肉量が増えると書きましたが、必ず増えるとは限りません。実際には食事内容、年齢、男女の違い、トレーニング頻度・負荷など様々な要因により効果が変わってきます。)、基礎代謝も落ちず(むしろ上がり)、体重が大きく落ちなくても引き締まった身体に見えるのです。
このように、体重はボディメイクの1つの指標にはなりますが、体重が少ないから必ず痩せて見えるというわけではない(体重が重くてもスタイルが良く見えることもある)こと、そして太った・痩せた、太っている・痩せているの判断を体重のみでしてはいけないということを認識しましょう。このご時世であれば、たいていの方にとってはこうして書くほどのことではないのかもしれないですけど、体重だけで判断している方もまだいると思うのであえて書きましたよー。
体重と身長から算出したBMI(Body Mass Index:体格指数)の値から、美容体重やシンデレラ体重といった、美しく見える体重はこれくらいっていう考え方もありますが、この考え方には注意が必要です。そのことについては別記事で書きたいと思います。
また、ボディメイクの効果を見る1つの指標として体脂肪率もあります。こちらについても注意すべきことがあるので、そのことについても別記事で書きたいと思います。
筋肉量が多いと沈む
冒頭で筋肉と脂肪の1cm3あたりの重さを書きましたが、水は
- 1.0g/cm3
です。
筋肉は1.1g/cm3でしたね。つまり、筋肉は水より重いということですね。
これはどういうことかというと、筋肉質な人はプールなどで沈んでしまうということです。

私も以前プールで脱力して浮こうとしましたが、脚から沈んでいきました(笑)。最近はプールに行ってないから確かめてないけど、多分沈むでしょう。
筋肉質な方は、こういう経験をした方もいるのではないでしょうか?まだしていない方は試してみてください。
溺れたり漂流したりした時は脂肪が多い方が助かる確率が高くなるかもしれませんね。
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